10月25〜28日 インターロック国際シンポジウム「日本の現状と展望」

気持ちの良い秋晴れが続き、秋風が吹き夕陽も美しい季節になりました。町を歩く女性の足下も夏の涼しげなサンダルからブーツやタイツなど暖かそうになり、ツイードジャケットやニットに小さなリボン、お花のコサージュを付けて、連日不況とニュースは言っていますがどこ吹く風で、お洒落を楽しんでいるようにも見えます。そして秋は食欲の秋。栗ご飯、松茸、秋刀魚。食べたい秋も到来しています。

飯田代表は10月末にメルボルンで開かれるインターロック国際会議に出席予定です。

 

インターロック国際シンポジウム「日本の現状と展望」
アメリカ大統領オバマ氏のノーベル平和賞受賞が大きな話題となり、日本では「友愛」スピリットを唱える鳩山キャビネットが始動しました。「核のない世界の実現」と「友愛」、ニューリーダーの勇気と英知が新しい世界の夜明けにつながることを信じています。今月は10月25〜28日まで、オーストラリア・メルボルンで開かれるインターロック国際シンポジウムTIRF-Traffic Injury Research Foundation主催について紹介します。

オーストラリア・アメリカ・カナダ・ヨーロッパ各国の道路安全管理のエキスパートや政府関係者、研究者、自動車メーカーなどが集うシンポジウムで世界の最先端の飲酒運転根絶への方策が論議されます。
日本からはMADD Japan代表飯田和代が「日本の現状と展望」を話します。帰国報告が楽しみです。「運転者が酒を飲んでいたら車はスタートしない」こんなシンプルな仕掛けが命を救います。アルコールイグニッションインターロックが日本の道路から飲酒運転を追放する日が現実となりつつあります。
シンポジウムの詳細はこちらから

アルコール依存症とインターロック
飲酒運転により刑務所に収監されている男性受刑者のうち、半数以上がアルコール依存症の病歴を持っていることが法務省の調査によって明らかになりました。その結果を受け、法務省は2008年4月からアルコール依存症から立ち治るためのリハビリテーションテストプログラムをスタートさせました。道交法の改正を重ね、罰則強化を図っただけでは、病根は断ち切れないと判断したからです。調査チームによると、兵庫県加古川刑務所に収監されている受刑者のうち113人が飲酒運転関連の交通事犯者で、そのうちの41人が月に2,3回酒を飲んで車を運転していたと答えています。また、24人の受刑者が週に2,3回、そして12人はなんとほぼ毎日運転していたそうです。2002年に危険運転致死傷罪が施行され、繰り返される罰則強化の締め付けは彼らに法の抜け道を用意させるなど、さらなる悪質化、巧妙化を助長させる結果となりました。
すでに北米やEUの国々では、飲酒運転を根絶させるためだけではなく、アルコール依存症からの復帰を目指す人々へのリハビリプログラムとして、インターロックの強制取り付けが義務付けられています。
ある一定期間、インターロックを取り付けた車を運転することで、ルールを守って社会生活をするための基盤を取り戻すことがねらいです。
横浜刑務所と帯広少年院からMADD Japanへ寄せられた声の一部をご紹介します。
飲酒運転をする人は日常的にやっており最後にとうとう大事故を起こすということです。私も飲酒運転の常習者だったので、今回こうして教育を受けたことを頭の中に入れ、社会に出たときに忘れずに行動していきます。
(横浜刑務所41歳の受刑者)
僕が車を運転するようになったのは小学校5年、11歳の時です。車を運転するようになってから1年半が過ぎるころから酒を飲んだ後や飲みながら運転するようになりました。次にやりだしたのは薬物をやりながらの運転です。気が付いたら友人の家の前に居たけれど、ここまでどうやって運転してきたのかわからないということが数えきれないくらいありました。今考えると僕はとても恐ろしいことをしていたんだとよくわかります。
                                         (帯広少年院10代の少年)